恋する季節 29

 9月某日。出張から戻った翌日の重役会議。最上階50階の重役専用会議室は広さはそう でもないが最新の機器が揃い、洗練されたインテリアと共に眺望も抜群、新宿副都心にそびえるライバル社の社屋まで見渡せる。今日の会議は会議というより ディスカッションだ。現在某高層タワーを我が社と共同建設中であるアメリカの企業トップを招いての。僕はパネルを交えインタビュアーのように彼と話をしな がら所々役員がつっこむ。社長、副社長、専務5人……。本日の世話係(いわゆるお茶くみ的アシスタント)は、佐久間専務秘書の稲垣だ。佐久間専務は対外事 業のアジアオセアニア担当であり、まだ40代と重役の中では一番若い(加えていい男だったりして)。
 話は新春トップ会談のように和やかに進み、次も是非ご一緒にと締めくくった。
 「アァ〜、エクセレン……。サンキュー」
部屋を出る際、客人は稲垣にもひとことかけて立ち去った。彼女はにっこり笑って送り出す。女性の秘書は中々受けがいいようだ。かわいいし、金髪だしな……。


「コーヒー飲まない?」
一度部屋を出て何気に戻ってきた僕に稲垣は言った。実は僕らは付き合っているのだ。公表はしてないが。
「ん」
インスタントでないコーヒーをカップに注いでくれる。彼女の入れたコーヒーは結構いける。
「うふん、かっこよかったわ」
早速腰掛けた僕の上に乗っかる稲垣。「オイ、こぼれるよ」
「寂しかったんだもん」
「ん〜〜〜」と顔が寄ってきてキスされる。でっかい目、でっかい胸、すらっと伸びた足……。子供みたいにばたばたさせてる。
「4日も我慢してたんだもん〜」
……二人きりになったとたんこうだからな。
「お前、専務と何もなかっただろうな」
「やだ。しつこい。あるわけないじゃん」
稲垣は胸を押し付けた。本当にコーヒーがこぼれそうになる。僕はカップをテーブルに置いた。
「そっちこそ出張妻なんていないでしょうね」
「いないよ、そんなもん。第一(やってる)暇がない」
「……専務も出張入ってたんだもん〜。一昨日戻ったばかりよ」
「そうか」と彼女の股に手を入れる。「いいな、お前は。ウチの秘書の中じゃ一番楽してるな」
彼女はエヘヘと舌を出す。『明るくて機転のきく子』という専務の希望を受けて秘書に抜擢されただけあっていつも元気でほがらか。一応秘書業務も滞りなくこなすし、専務もお気に召しておられるらしい。見た目はちょっと危なっかしいところもあるが……。
「ああん、待ち遠しかったわ」
稲垣は僕の手を受け入れて大きく股を開いた。「んーー」僕の首をしっかり抱きしめて体勢を固める。僕は手を奥へ伸ばした。あったかい中心へ……。
「はあん、あん」
オーバーなくらい上手に腰をよじって胸を目の前にもってくる。僕の興奮を誘うのだ。僕はそのブラウスのボタンを外して窮屈そうにブラの中におさまってるおっぱいを出して揉んだ。
「んん……。最近ね、あたしあてに封筒が届くのよ。佐久間専務秘書稲垣様って。何だと思う?」
まだ声に余裕がある稲垣。
「……開封したのか」
「しないわよぉ。気持ち悪いから全部捨ててるの。化粧品とかのDMでもないし、大きくもない普通の封筒なのよ。80円切手の」
「一般人か? 目つけられてんのかな」
「やだ、気になる……んっ」
ここで彼女は大きく唸った。僕の指の先はもうぬるぬるしてる。
「お前、その金髪がいけないんじゃないのか」
指を止めないで言う。彼女はハアハアして喋れない。
「はあ……あ……」
指の先が滑って液がぽとぽと垂れた。ブワーッと広がった明るい金髪のウェーブが鼻先に触れ何ともそそられる。ウチの会社のすごい所。重役秘書である稲垣が こんなド金髪に染めても誰も何もとがめないのだ。佐久間専務でさえも……。というか、専務は何か嬉しそうだ。こういうヤツが目の前で書類ヒラヒラさせてる 図を想像すると……。その気持ちわかりすぎるほどよく理解できるな。
「ああん、きちゃう、いっちゃうっ……」
稲垣は僕を支えにして体を硬直させた。「あ、あ……」がくがくする。同時に、もっとたくさんの液が指から手の平に滴る。
「すぐいくんだから」
僕はぬるぬるしたひだを撫でながら言った。彼女はびくびくっと背筋を伸ばした。
「ああ、入れてよ。そんなことしてないで……」
苦しそうに呟く。僕はわざと目をそらした。
「んーー。どうしよっかなー……」
「いれってってば。はやく」
彼女は腰を動かした。「でも、濡れちゃうもんな」
「やっだ、いじわるっ。ずっと待ってたんだから。ダメよ、いれて」
彼女は自分で僕のベルトに手を伸ばした。僕は笑いながらその手を押さえて自分で外した。「なんか間抜けだよな、お前はいいけどさ」笑いながら挿入する。
「あうん」
ずぶぶっと入ってく。彼女はため息を漏らした。
「……気持ちいい。これがいいのよぉ。硬いけど当たりは柔らかくてちゃんと奥まで届くの……」
「そうですか」
僕は言って腰を動かし始めた。言葉どおりぴったりはまり込んでるって感じだ。ぬるぬるのなかを突き上げてかりがひっかかる。椅子の接続部分がカタカタ音を立てる。「ああ、すきすき、あたし最近この体位がいいの」「うんうん」
会議室の椅子でやるコツを覚えてからは僕も気に入ってる対面座位。話も出来るし顔も胸も見える。背もたれが動きに合わせてしなるからやりやすいのだ。ぐ ちゅんぐちゅん激しく擦れると稲垣は自分でも腰を動かした。ぐっぐっと自分の当たりのいい具合に腰をよじる。「あう……。いい、いい、ここ、もっと突い て」胸を突き出してのけぞった。一番奥のポイントを突っついてるのだ。声が裏返る。
「ああ、あーーーっ」
彼女は僕によっかかって絶頂を迎えた。同時に僕は射精する。さすがに息が乱れる。無意識におっぱいを揉んでる……。
「はあ、はあ」
彼女は僕の上で息を切らしてる。乳首をつまむと「んー」と唸って腰を強く押し付けた。
「ああ、はぁっ」
僕は上体を奇妙に曲げて乳首を口に含んだ。ちょっと強めに吸う。まだハアハアいってる体と同じくらい僕の体と彼女の体の間の空気も熱くむぁっとする。
「ああ、ね、今晩行ってもいい?」
息切れしながら彼女が言った。
「ん……。オレ、今晩飲みなんだよ」
言った後舌の先で乳首のてっぺんを舐める。小さく「きゃ」ていう声。
「……遅くなるの?」
「多分な……」
彼女はちょっとだけ体を起こした。「じゃ、もう一回」と言ってまだ戻ってないのに腰を上下させる。ずぶずぶと先がまた刺激される。
「ん。待て待て」
僕は結合が解けないようにゆっくり立ち上がると彼女を回転させてテーブルに伏せさせ、後ろから静かに突きはじめた。
「んっ、あーー」
当たる角度が変わる。彼女は腰を突き出して補助した。滑りがよ過ぎて抜けそうになるので少しスラックスを下げる。ヒップ丸見えだ。こういう場合ガーターストッキングは非常に都合がよい(脱がなくていいしびしょぬれにならずにすむ)。彼女はいつもこれなのだ。
「あう、あう、ああ」
彼女はテーブルに伏して苦しそうに顔を上げたり、面に押し当てたりしてもがいた。その腰を強く押さえて次第にきつく突き上げる。「ああ、ああ、もっと」 ヒールを履いた足が逆Vの字に突っ張っている。……つりそうなくらい体に力が入っている。僕はぐっと奥まで突き上げて彼女の腰を回した。「ああ、ああ、あ あっ」艶っぽい声が響いてまた彼女はのけぞった。2度目の射精。
 「ああん、気持ちいい……」
余韻を感じてる彼女の中から引き抜く。ティッシュを当てても汁が落ちる。彼女はしばらくテーブルに手をついていた。僕は自分のスーツを直すと、彼女のスカートを下ろした。胸はまだはだけてる。後ろからそれを揉んで、下がったブラを上げてやる。
「ん……。裸で抱き合ってしたいわ」
「次にな。オレもう戻んないと。お前もやばいだろうが」
「キョースケはいいわよね、タバコ吸ってたってことにしとけばいいから」
おお、そうだな……。僕は思い出したようにタバコを取り出す。
「やぁだ、だからって吸わないでよぉ、オヤジッ」
稲垣は小悪魔っぽく微笑んでタバコを奪った。それ見て僕は何となく思った。
 秘書って(女の場合だが)品行方性よりもちょっとくらい男に慣れてる女性の方がいいな……。
 きっと佐久間専務も同じ考えだろう。……言うとセクハラって殴られちゃうけどさ。

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